曁南大学日本学院と早稲田大学の連携講座、日語教員資格の強みを共に創出

2025年4月11日、早稲田大学大学院日本語教育研究科の院長であり、国際的に著名な日本語教育の専門家である宮崎里司教授が、曁南大学日本学院の招きで特別講演を行いました。講演では、曁南大学日本学院が新たに開設予定の選択科目「日中日本語教員実習・就業トレーニング講座」について、詳しく解説が行われました。テーマは「登録日本語教員と国家資格試験」。日本語教育制度の変革や、国家資格試験の最新動向、日本語教員としての将来展望について、深い洞察が示されました。

宮崎教授は、日本語教育が戦後、主に民間団体や大学機関によって制度化されない形で発展してきたことを指摘。その上で、特に**2019年に施行された『日本語教育推進法』**が、日本語教育を国家戦略の一環とする大きな転機であったと強調しました。さらに、2024年に始まった『日本語教育機関認定法』や、「日本語教員国家資格試験」の創設により、「日本語教員」が正式に国家資格として認められたことで、教員の専門性・社会的認知・職業的安定性が飛躍的に高まったと説明しました。

現在、日本語教育業界では教員不足が深刻化しており、多くの教育機関が人材を求めています。日本政府の認定を受けるためには、国家資格を有する教員の配置が不可欠であり、有資格者は給与面・就業先の選択肢・キャリア形成において大きな優位性を持っています。日本で語学教育に携わりたいと考える専門人材にとっては、まさに絶好のタイミングであるといえます。

曁南大学日本学院の「日教講座(日本語教育課程)」は、宮崎教授が直々に企画・監修に関わり、国家試験との高い整合性を保った内容となっています。講座は「理論×実践」を軸に、言語学、日本語教育学、教授法、評価法、教材開発、異文化理解、教育政策、法制度など多岐にわたる分野をカバー。さらに、教育実習、模擬授業、就業支援のモジュールも組み込まれており、受講生は専門知識を学ぶと同時に、実際の教育現場に近い体験と職業準備を得ることができます。

この「日中日本語教員実習・就業トレーニング講座」は、日本学院の学内生だけでなく、プロの日本語教師を目指す学生や社会人、日本での就職・進学・移住を希望する人々にも開かれた内容となっています。日本社会の国際化が進むなかで、日本語教員資格を持つ人材は、企業・公的機関・文化交流・留学生支援・行政連携など、さまざまな分野で高い競争力を発揮できます。

この講座で養われる「言語運用能力」「異文化コミュニケーション力」「政策理解」「論理的表現」「組織遂行力」は、日本での生活と仕事において不可欠なコアスキルでもあります。

さらに、この国家資格を有する外国人に対しては、移民・ビザ・就業発給などの面で優遇措置が設けられる可能性があり、より柔軟な認定や職業移動の道が拓かれています
現在進行中の「特定技能制度」や「高度専門人材制度」などと連動し、専門知識と実践力を備えた多才な人材にとって、日本社会はますます大きなチャンスの場となりつつあります。